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ホーム 導入事例 > 導入事例 Vol. 3
有限会社バースコム
■ 会社名: 有限会社めぐみ商事
■ 事業内容: 飲食店経営
■ 導入サービス: ・やる気分析システムMSQ ・キャッチフレーズマネジメント(気づきメモ、虎の巻など)
北海道の東部に位置する中標津(なかしべつ)で洋食店2店舗、和食店1店舗を経営する川嶋氏(48歳)。2店舗目の出店をきっかけに社員教育の強化に乗り出した。当初、手探り状態だったが、今では少しづつ結果が出せるようになってきた。その経緯について詳しく伺った。
  1. めぐみ商事概要
  2. クレーム発生!「接客には自信があったのに」…社員教育を強化
  3. 「働いていてもつまらない」…手紙で集めた社員の本音
  4. 「思いやり」をテーマに社員教育を始めるが…結果が出ない…焦り、不安
  5. 「さすがキンコだね!」少しづつ結果が出始める…足りなかったのは社員自らの気づきだった
  6. SHSへの評価
  7. SHSはどんなところにおすすめか
  8. 社員の涙に救い…今後の社員教育
めぐみ商事の概要
― 川嶋さんについて教えてください。

私は、小学6年生で料理人を志して以来、飲食一筋に生きてきました。
16歳で料理人修行を開始。、当時住んでいた釧路の著名な洋食店や、スパゲティ専門店で料理人としての腕を磨きました。22歳の時に新しくできる飲食店のチーフになるために、中標津にやって来ました。
そして25歳で独立、屋台のような小さな店から始まって、何度か店を移転し、現在運営している「ラ・キンコ本店」を1994年、32歳で開業しました。現在では飲食店を3店舗にまで拡大、私は、めぐみ商事の代表として経営全般を見ながら、ラ・キンコ本店のマスターとして厨房にも立っています。

― 運営している店舗やめぐみ商事についてお聞かせください。

一号店目の「ラ・キンコ本店」は、お手ごろ価格で専門店の味が楽しめる大衆洋食店。60坪、72席の路面店です。
2006 年にショッピングモール内に開いた二号店目の「ラ・キンコ東武サウスヒルズ店」は、ファミリーレストラン型で65坪、80席。三号店目の和風レストラン「つなの」は、先代の引退に伴い2008年に引き継いだ店で60坪、50席です。パート、アルバイトを含んだ社員数は22名、年商は約1億4000万円です。


ラ・キンコ本店
地元新聞、雑誌、ラジオでも美味しい店として紹介されてきた


クレーム発生!「接客には自信があったのに」…社員教育を強化
― 社員教育を強化したきっかけは何だったのですか。

2号店目のサウスヒルズ店の出店です。
サウスヒルズ店を開業した当初、短期間に人を増やしたり、本店からベテラン社員をサウスヒルズ店に移動させたりしたので、充分な接客ができなくなり、両方の店でクレームが目立った時期があったのです。
サウスヒルズ店では「提供時間が遅い」「気がきかない」と言われ、本店では常連のお客様に「本店の質も落ちたな」とまで言われました。
これはかなりショックでした。
私は、美味しいものとサービスでお客様に喜んでもらうことに、いつも全力を尽くしてきました。だからこの時まで接客についてのクレームは全くと言っていいほどなかったし、接客には自信を持っていました。
それだけに悔しかったんです。
同時に、店が1店舗だけの時には、自分の目配りで店を運営できたので、社員教育を充分してこなかった、それが2号店目のオープンではっきりと表に出てしまったのだと思い、経営者としての自分を猛反省しました。
経営者としてここが「ふんばりどころ」だと思い、本気で社員教育に取り組もうと決めたのです。

「働いていてもつまらない」…手紙で集めた社員の本音
― 社員教育に取り組もうと決めて、まず何から手をつけましたか。

社員の本音を聞きました。
こちらのオモイ、目指しているところを一方的に押しつけても効果はないので、店や私への不満を手紙の形にして書いてもらったんです。
集まった手紙の中で、もっとも多かった不満が「働いていてもつまらない」でした。
なぜつまらないかを社員に聞いたり、自分なりに考えたりしました。その結果、つまらない理由は社員同士の仲間意識が育っていないことにあると思いました。
仲間意識が薄いから、お互いに遠慮して言いたいことが言えない、注意されてもなかなか素直に聞けない、自分の仕事以外のことはあまり関心がないといった状態だったのです。これでは働いていてもつまらないですよね。
それで仲間に対する思いやりを持ち、仲間意識を育てることを社員教育のテーマとしました。
仲間に対する思いやりが持てれば、自然にお客様への思いやりも生まれ、接客力も上がるだろうと考えました。


「思いやり」をテーマに社員教育を始めるが…結果が出ない…焦り、不安
「結果が出ないので不安でした」
― 思いやりをテーマに、具体的にどのような社員教育をされましたか。

朝礼、社員の誕生日会など、思いやりについて話したり、考えたりできる場を積極的に作りました。
社員や私がお互いの気持ちを理解しやすくなるよう、日々の気づきや悩みを自由に書き込める落書き帳も始めました。
企業理念を書き出して厨房に貼ったりもしましたね。こういうことを2年~3年続けました。

― 効果のほどはいかがでしたか。

ある程度はあったと思います。
でも、努力している割には、思いやりや仲間意識が、社員の間でしっかり育ってきているような手ごたえはない状況でした。
そもそも自分は正しいことをやっているのか、社員に、思いやりを持ってほしいというこちらのオモイはちゃんと伝わっているのかだんだん不安になってきました。

「さすがキンコだね!」少しづつ結果が出始める…足りなかったのは社員自らの気づきだった
― 社員教育の結果がなかなか見えてこない中、次にどういう手をうたれましたか。

ちょうどその頃知り合ったSHSから提案され、やる気分析システムMSQ(※)を社員に受けてもらうことにしました。
ずっと自分で考えて社員教育を続けてきましたが、いま一つ効果を実感できなかったので、試しにプロに任せてみようか、それで社員の反応を見てみるのもいいかなと思ったのです。

※やる気分析システムMSQ:
収入、社会からの期待・評価、自己表現、人間関係など「やる気のもと」への関心度、満足度を見える化するテスト。テスト結果から、やる気を引き出すために取り組むべき課題を見つけ出す。テストと合わせて開くセミナーでは、やる気の仕組み、高め方を指導する。


― 試してみていかがでしたか。

テスト後のセミナーに同席してみて、社員は熱心に聞いているなと思いました。自分のテスト結果を見ながら、やる気の仕組みや高め方を指導するためか、セミナーに興味を持って参加しているし、よく理解できているようでした。「こういう気づかせ方、伝え方もあるのか」と勉強になりました。
MSQでいい感触を得たので、SHSのキャッチフレーズマネジメント(※)を取り入れることにしました。
私どものキャッチフレーズは「思いやり」にしました。その一環として力を入れたのが気づきメモ(※)です。気づきメモのキャッチフレーズも、思いやりです。以前から社員教育の一つとして落書き帳を取り入れているので、メモに気づいたことを書くという手法は、うちになじみやすいだろうと考えたのです。 このメモは、社員が思いやりについて考えたり、気づいたりするキッカケになりました。良い結果にも結びつきました。

※キャッチフレーズマネジメント:
経営を通じ実現したいこと、目指すところなど「経営者のオモイ」を一言にまとめたキャッチフレーズ(合言葉)を使って、人を育てるマネジメントスタイル。
  • まず企業理念、経営者、社員へのインタビューなどからオモイを抽出、キャッチフレーズにまとめる。
  • 次に、このキャッチフレーズを研修などを通じ、全社員で共有。
  • その後、気づきメモを用いたキャッチフレーズの実践活動を行い、その成果をセミナーで共有する。
  • 「気づきメモによる実践とセミナーでの共有」の繰り返しでキャッチフレーズ、オモイを社員に浸透させ、自らこれらに沿って行動できる人財へと育てていく。
※気づきメモ:
キャッチフレーズマネジメントにおいて、経営を通じ実現したいこと、目指すところなど「経営者のオモイ」を社員に浸透させるためのシカケの一つ。経営者のオモイなどを一言にまとめたキャッチフレーズをメモのテーマに設定、社員はこのキャッチフレーズを意識しながら行動し、そこから得た気づきをメモしていく。書き込まれたメモの中から課題を選び、セミナーを開く。セミナーでは気づきの共有、課題の解決策の検討などを行い、次の活動につなげていく。


― どのような結果が出たのでしょう。具体例をお話しください。
「やっと結果が出た時は
うれしかった!」


例えば、膝かけですね。
イスに座っていると、足元だけが寒いことってありますよね。お客様も寒いのではないかという社員のメモがキッカケで、みんなで話し合い、各席にお客様用の膝かけを用意することになりました。この膝かけは好評で、「さすがキンコだね」と言われた時はうれしかったですね。
また、それまでメニューはいつもテーブルの上に置いてあったのですが、メニュースタンドを使ってテーブルの端に立てておくように変えました。
うちのメニューは、大きくて場所を取るんですね。だからメニューがテーブルの上にあるのは、お客様からするとジャマではないかと気づいた社員がいたんです。
誕生日会のご予約をされたお客様に、何かお祝いを差し上げたいというメモからは、一輪ざしの花びんをプレゼントする活動が始まりました。
私は、これまで社員教育の中で自分がいいと思ったことを社員に伝えてきました。それが押しつけになっていたのかもしれません。気づきメモのいいところは、社員自らが気づくようになることでしょうね。
同じ店で何年働いていても気づかなかったことを、このメモを取り入れたわずか5カ月~6カ月間で気づくようになり、いろいろと形にできたり、結果が出せたのはうれしいです。
気づきメモはメモとセミナーを組み合わせてあるので、気づいただけで終わらずにみんなで考えて実践し、結果につながっていくのだと思います。

気づきメモはポケットサイズ。常に持ち歩いて気づきを書きとめる。


基本的に気づきメモには何を書いてもOK。まずはメモを習慣化させる。


メモを整理し、その中から課題を選び、セミナーを開く。


SHSへの評価
― SHSへの評価をお願いします。

これまでコンサルタント会社にいいイメージを持ってなかったんですね。
私たちが抱えている悩みは細かいところでみんな違うのに、コンサルははじめから用意してあるサービスのパターンに私たちを当てはめていくだけだと思ってましたから。おまけに料金は高そうだしね。
だからSHSには、私たちは自力で社員教育をやってきたので、この上に積み上げる形で、うちの状況に最適なものを作ってほしいという要望を出しました。
SHSはこれを承知してくれました。実際、要望に沿ってベストを尽くしてくれてます。また助成金が適応されるプログラムだったので、予算内に収まったのも非常に助かりました。

SHSはどんなところにおすすめか
― SHSは、どんなところにおすすめですか。

私たちのように自力で社員教育をがんばっているのに、成果がはっきり見えていないところですね。経営者自身が社員教育を学びたい場合もおすすめです。

社員の涙に救い…今後の社員教育
― 最後にめぐみ商事の今後の社員教育についてお聞かせください。

先日、3年間勤めてくれたパート社員が、ご主人の転勤でうちを辞めることになりました。その時「ここで働けて幸せだった」と泣きながら言ってくれました。手探りで社員教育を続けてきた私が、救われた瞬間でした。
社員教育は時間がかかりますが、答えを急がずにこれからも腰を据えてやり続けるつもりです。
社員の気づきを集め、みんなで作った接客マニュアル「“おもいやり”キンコ接客 虎の巻(※)」が、もうすぐできあがります。経営者やコンサルタントが一方的につくったものではなく、社員の声を集めてみんなで作ったのものなので納得して、使ってくれると期待しています。今度はこれを利用して前に進んでいこうと考えています。

― 本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。 

※“おもいやり”キンコ接客 虎の巻:
商品名は「キャッチフレーズマネジメント 虎の巻」。気づきメモで集めた現場発のアイデアなど、キャッチフレーズマネジメントで得た成果を反映させたオリジナルの接客マニュアル。めぐみ商事様のケースでは、キャッチフレーズが“おもいやり”だったので、虎の巻の名称も「“おもいやり”キンコ接客 虎の巻」になっている。虎の巻は、誰でも一目でわかる、写真を中心にした漫画仕立てのマニュアル「ピンとくる接客マニュアル」に、それぞれの成果を加えて作っていく。マニュアル化により、キャッチフレーズマネジメントの成果を店の財産として残していく。


めぐみ商事様の「“おもいやり”キンコ接客 虎の巻」イメージ画像。


※ 有限会社 めぐみ商事代表取締役川嶋金公様(取材当時)は、取材にご協力いただいてから数日後に急逝されました。突然の悲しい出来事を乗り越え、現在めぐみ商事様は川嶋金公様の提唱してきた「おもいやり」を合言葉に盛業中です。本導入事例は、現代表取締役川嶋佐百合様の許可を得て掲載させていただきました。川嶋代表取締役様のご配慮に感謝するとともに、川嶋金公様のご冥福を心からお祈りいたします。

めぐみ商事様のWebサイト
※ 取材日時 2010年3月